日本製造業景況感は3年ぶりの高水準に

 
日本製造業景況感は3年ぶりの高水準に

1月の日本の製造業PMIは2014年以降で最高の水準に

製造業の現在及び将来の景況感

  • 1月のPMI速報値は、景況感が2014年3月以降で最高の水準に達したことを示唆した。
  • 今回から公表が始まった期待指数は、2013年5月以降で最高の水準に達した。
  • 雇用、輸出、新規受注の伸びは軒並み加速した。
  • 物価の上昇圧力が確認された。

1月は、日本の製造業の景況感が最近3年ほどで最も堅調であっただけでなく、将来の生産見通しも3年半以上で最高の水準へと上昇した。

IHSマークイットが集計した1月の日本の日経製造業PMI速報値は、12月の52.4から52.8に上昇し、2014年3月以降で最高の水準に達した。この数字は、2016年上期に落ち込んだ製造業の回復が、引き続き勢いを増していることを示すものである。

改善の要因は、輸出の回復を背景に新規受注の伸びが加速したことであり、企業の雇用拡大を後押しした。その一方で、投入価格も最近2年ほどで最高の水準に達した。

新しい期待指数

明るい材料として、企業は将来の見通しについても楽観的になっている。1月から、1年後の生産水準に対する企業の見通しが調査項目に加わった。これはPMIの他の指数とは異なり、「主観的な」回答に基づくものである。PMIの生産高、新規受注などの指数が、いずれも対象月の実際の水準の変化についての回答を基に算出されるのに対して、期待指数は企業の見通しに基づいて算出される。

期待指数は2017年1月から公表が始まったものの、データ自体は2012年7月から月次で集計されていたため、既に4年半の過去データが存在することになる。

新規受注指数(輸出)

続く

製造業の雇用指数

出所: IHS マークイット、日経、データストリーム

期待指数が50を上回る場合、企業が平均的に1年後の生産増加を予想していることを意味し、50を下回る場合、生産減少を予想していることを意味する。

1月の期待指数は前月の58.8から61.4へと上昇し、企業が総じて1年後の見通しに対してより楽観的になったことを示した。この数字は、2013年5月以降で最高の水準であった。

1年後の生産見通しが上向いたことは、1月の速報値に見られた実際の生産の伸びの減速が一時的なものであり、この先数カ月間に加速する方向にあることを示している。生産は1月に減速したとはいえ、過去3年間で最速のペースで拡大しており、これは四半期ベースで約2%の成長と整合的な動きである。

輸出の拡大が新規受注を牽引

楽観的な見方が広がった一因は、年初に需要拡大の兆しが見られたことである。製造業の新規受注は、輸出が2015年11月以降で最大の伸びを示したことを受けて、2015年12月以降で最高の水準に達した。

輸出の改善は、米国、欧州、中国を始めとするアジア諸国などの主要な輸出先において需要が拡大したことと、足元で対米ドルを中心に円安が進んだことに起因する。

インフレ圧力の上昇

最近の円安を受けて、製造業の投入価格も顕著に上昇し、1月の上昇幅は2015年3月以降で最高の水準に達した。

企業がコスト増の影響を消費者に転嫁した結果、販売価格は上昇し、工場渡し価格は過去14カ月で最大の上昇幅を記録した。

全般に販売価格の上昇率は比較的低い水準にとどまっているものの、製造業が幅広く回復するなかで物価上昇圧力が高まったことは、少なくとも日銀にとっては安心材料になるとみられる。日銀は、2017年には景気回復の勢いが再び増すと予想している。IHSマークイットは、2017年の実質GDP成長率は、2016年の1.0%から1.1%へと小幅に上昇すると予想している。

製品価格指数


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IHS マークイット

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