日本から資金を引き揚げる外国人投資家

 
日本から資金を引き揚げる外国人投資家

最近半年あまりの間、日本経済の低迷を背景に外国人投資家の日本に対する投資姿勢は後退し、日本関連の保有資産残高は大幅に減少した。

  • 海外上場の日本関連ETFの資産残高は、昨年12月初め以来20%減少
  • 米国証券貸借プログラムにおいて保有される日本関連の資産の価値は高値から20%減少
  • 日本人投資家の動きが資金流出を緩和しているものの、その持続性が問われる

日銀の量的緩和政策にはほとんど進捗がみられず、外国人投資家は日本株の先行き懸念を強めている。4月には、海外上場の日本関連ETFから、月間の数字としては過去最高となる35億ドルの資金が流出した。12月~3月の流出額を合わせると、外国人投資家が日本に対するエクスポージャーを取得することが可能な182のETFから、累積で20%が流出したことになる。

これはキャッシュベースでは前例のない規模であり、投資家は昨年12月にグローバルな投資資金の流出が始まって以来、当該ETFから110億ドル以上の資金を引き揚げたことになる。

このような資金流出の動きは、日銀が広範な金融緩和政策の現状維持を決定した日とその翌日に日経225株価指数が7.5%下落したことによって、正当化されることになった。

先週の日銀の決定を前に大量の資金が流出したことは、日本株が2月第2週の底値から6週間にわたって17%上昇したことに対して、投資家が懐疑的だったことを示すものである。

年初来、WisdomTreeの日本株ファンド(為替ヘッジあり)からは36億ドルが、iShares MSCI日本ETF(為替ヘッジなし)からは30億ドルの資金が流出した。為替ヘッジのない伝統的なファンドの場合、円高に起因するドルベースでの資産価値上昇によって最近の損失がある程度緩和されたものの、為替ヘッジのあるファンドでは、円高がリターンにマイナスに作用した。

米国では貸借可能価値も減少

外国人投資家による日本株からの資金流出の動きは、米国の証券貸借プログラムにおいて保有される日本関連の資産の価値の減少にも反映されている。当該資産価値は、昨年8月初旬のピーク時に30兆円に達した後、同時期の日経225株価指数の下落率を上回る20%の下落を記録した。

この動きは、米国投資家が最近のボラティリティ上昇局面において保有資産の貸し出しを控えているか、既に売却済みで保有していないことを実質的に意味する。

日本人投資家が影響を緩和

外国人投資家がETFのエクスポージャーを積極的に減らす一方で、日本人投資家はその大部分を穴埋めする格好となり、第1四半期には国内上場の日本株ETFに129億ドルの資金が流入した。もっとも、ここ数週間はその勢いも弱まり、4月にはこれらのETFから48億ドルの資金が流出した。


サイモン・コルビン

アナリスト

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